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5月より、新領域・学際ラボラトリーという会社を始めております、みなさまどうぞよろしくお願いします。
私はこれまで、「ビッグデータ」という言葉が世の中に出てくるより前から、数理モデルを軸としたコンサルティングに従事してきました。
近年、産業界にて多くの方々が人工知能、IoTといった用語を日常的に使うようになり、成果が出ているケースもありつつ、混迷を極めているケースが少なくありません。
そのような状況の中で、産業界をより筋の良い方向に軌道修正していく、ということが弊社のミッションの1つであり、これは企業様向けのコンサルティングという形で事業展開させていただきます。
当たり前ですが、「データサイエンティスト」にデータを渡しても事業変革は期待できません。どの業界においても、今後事業においてデータの有効活用は必須ですが、そもそも適切な問題設定ができていなければ大きな結果は望めません。これは「データサイエンティスト」を「AI」に置き換えても同じであり、期待する先が人から機械になった分、より状況は悪化しています。
また、事業戦略を設計でき、まともにデータ分析(の設計)をできる人材というのは世の中にほとんど存在していません。データサイエンティスト協会が定義している3つのスキル領域(ビジネス、データサイエンス、データエンジニアリング)の中の「ビジネス」で定義されているスキルセットよりも遥かにストラテジックな思考、業界知見が求められます。
そして、もう1つのミッションは、将来の新たな領域の創出に向けた研究です。
産業側の今の動向としては、顧客接点やサービスそのものがデジタル化する中で、アセットを持たないスタートアップ企業は分散協働モデルで顧客接点を抑えにきました。
一方で、これまでの伝統的な大企業は、より一層垂直統合を進展させた「全体最適」が価値の源泉となってきており、垂直統合を進めて事業ドメインを広げ、自社が負うべきリスクが増大することに対しては、これまでよりも広い「系」の制御モデルを構築しなければ持続的ではないという状況にあります。
垂直統合の進展やオンデマンドサービスといったサービスシフトに加え、外部環境として循環型社会に向けた環境側からの要請や地政学的不確実性が増大する中で、より広い「系」への対処や自律分散/即時消費といった、より難しい問題への対処が必要になると想定されます。
垂直統合に向けたキーイネーブラーとして、ノーバート・ウィーナーが提唱した「サイバネティックス」は、機械の制御という意味では、まさにIoTという文脈で社会実装されつつありますが、自律分散型でロバストな系の設計に向けては、生体的な要素からまだまだ学ぶべきことが多いはずです。
いくつかのオンデマンド/サブスクリプション型サービスはVCマネーで成り立っているのは明らかであり、このまま待っていれば規模の経済で成り立つ構造になるのかというとそうではなく、バーチャルからリアルな領域になった瞬間に時空間上の不確実性にさらされているので、構造的に収益化する見込みがない状況にあるサービスが多いはずです。
こういった状況の中では、やはりバリューチェーンを広く捉えた上での全体最適への移行が必須であり、それなりに重たい資産を保持している大企業に有利な競争になってくると思いますが、これを成り立たせるためには、今世の中(日本)で人工知能とかAIとか騒がれているのとは違う領域の進展が必要です。
最近の「AI」ブームは日本だけに限ったことではありませんが、中身を見ていくと、日本と海外ではその内容にかなり大きなギャップがありそうです。
IPAが発刊した「AI白書2017」のAppendixに掲載されているアンケート結果(研究開発対象領域に関する質問)からみてとれることとしては、日本では深層学習、機械学習、画像認識といったよく聞く用語に反応している一方で、米、独、英では、これらに限らず、プラニング、マルチエージェント、エキスパートシステム、遺伝アルゴリズムなど昔からの研究の延長として、地に足のついた形で、より複雑性の高い問題に対応できる領域も研究開発領域としてあげています。
これらは製造業を中心に、研究する立場としては日本でも昔から着実に進めてきている領域のはずですが、最近の人工知能ブームの中で、企業の経営層側のリテラシーが欠如しているということだと私は認識しています。
足元ではこいうったギャップを埋めていくようなコンサルティングを進めつつ、
少し先を見通すための研究を進め、自社でのサービスも仕掛けようとしている、そんな会社です。
どうぞよろしくお願い致します。
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